19歳まで住んでいたのは広島市とは別の市で、ちょっと遠い。広島県は三角州地帯だから、基本的に行動範囲の中にしょっちゅう川が出てきて大きな橋をよく渡る。近所の海沿いの巨大鉄工所は中学くらいから夏暇なときよく行く。空気の中にきらきらしているものが見える。右端のほうに移ってるのは住宅団地。あの湯気が出てる煙突の直径に何百人何千人入るんだろうとか思って不思議な気分になる。夏休みの宿題で絵も描いて、皆ビリジアンを大量消費してたけど、私は空の水色と白と茶色や灰色っぽい絵だった。完全に誤解だけど地元って東京とちがって就職してもまったり昼からシエスタとかお茶とかできそうでいいと思う。



今、お母さんがちょっと離れた病院にいるおばあちゃんの病室まで毎日通いつつ、お父さんがときどき、暴れん坊でちょっと苦手な小型犬、お医者をたたんだおじいちゃんが住んでる家があるところ。八つ墓村のロケ地、リアル八つ墓村な感じ。最近またブルーなことが起きて、わたしはとても悲しい。グーグルマップのズームmaxでこの画像。山脈・・・雲・・・お母さんのお父さんにあたる方はいつ頃まで生きてらっしゃったのか知らないけどお母さんは中学まで住んでて、その後市内で一人暮らしをはじめた。携帯電話はもちろん通じないし電車もない。お母さんは毎晩ここから、すごい大変なこともないけどすごい楽しいこともないよとか、最近よんだ本、今日会った変な人(お年寄り、変な人が多い)、旅行の計画の電話をくれる。疲れちゃった時はそっけない返事しかできなくてわるいなあと思ってる。毎年1年に3回くらい行くけど、本当に静かでお店も何もなくて大きな川と山に囲まれたとても広くて涼しい場所だから、卒業後の落ち武者化もちょっと考えてる



今住んでる付近。全体的にちょっと坂になってて、このエリアの周辺も一応工業地帯。真ん中が近所にあるお気に入りのめちゃくちゃ広い公園。あの、つかまるロープウェイみたいなやつもあって、子どもたちが占拠してるからまだのってないけど、つかまるロープウェーからもきっとすごく見晴らしがいい。



ヘルシンキ、心のふるさと。なんだかんだで結局多分住むと思う。すごく小さい町のわりに市電の駅がいっぱいあってちょこちょことまって港に出る感じとか広島に似てる。宇品みたい。途中でターンしたりして覚えるまで難しい市電で聞こえる名前とかもすきだ。中心地がカイボプイストとか、他にもなんとかプイストとかいうかわいい名前。アアルニオの建築も、イッタラマリメッコノキアムーミン全部すきだ、そういうデザインとは違う素朴で独特な位置のフィンランドの感じもすき。旧アラビア社屋の上にあるデザインの大学の近くの住宅地に住みたい。